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血液ガス分析、どうやってみるの?

こんばんは!ぺい看護師です。今日も元気に看護していますか?

 

今回は血液ガス分析について解説していきます。

動脈圧ラインから血液を採取したり、医師が鼠径部から採血したりする動脈血を分析する血液ガスですが、どんなことがわかるのでしょうか?

たくさんのことがわかる一方で、どの項目を見たら何が分かるのかがごっちゃになる方も多いと思います。

そこで今日は血液ガスから分かることをポイント別に紹介していこうと思います。

なるべくシンプルに伝えられるように頑張りますので、ついてきてくださいね!


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酸素化

血液ガスで見る値のうち、今吸っている空気の酸素濃度でどれくらい全身に酸素が取り込まれているかを表す指標になります。項目としては

PaO2やSaO2などになります。

まずどの病棟でも測定するであろうSpO2はご存知ですよね。経皮的動脈血酸素飽和度です。

これは経皮的にSaO2を測定しています。

ではSaO2とはなんなのか?

SaO2は動脈血酸素飽和度を示し、ヘモグロビンにどれくらいの酸素がくっついているかを表しています。

酸素はヘモグロビンにくっつくことで全身へと運ばれていきます。そのため、酸素がたくさんくっついている方が、全身にたくさんの酸素を届けることができるというのは理解しやすいかもしれません。

どれくらいの割合で酸素がくっついているか、というのを示すため、単位は%です。COPDなどの疾患などがない場合、基準値は97%前後です。

 

それでは、PaO2はなんなのでしょうか?

これは動脈血酸素分圧といい、血液中にどれくらい酸素が存在しているかをあらわしています。酸素は血液中に存在しているだけではふわふわと漂っているだけで全身へ送り届けることができません。そのため、厳密には酸素化を表す指標はSaO2なのですが、血液中に酸素があればあるほど圧力が上がり、結果としてヘモグロビンとくっつきやすくなるため、臨床ではPaO2が酸素化の指標として用いられます。

 

PaO2の基準値は80〜100mmHgとなります。名前が分圧となっている通り、単位は圧力のmmHgです。

 

PaO2が60mmHg以下の場合、呼吸不全とされます。

酸素化に問題がある場合、患者さんが上手く息を吸うことができていないということになりますので、呼吸の様式を整えたり、吸う空気の酸素濃度を状態に合わせて調整したりする必要があります。

P/F比

酸素は大気中にはおよそ21%の酸素が存在しています。一方で多くの患者さんは酸素マスクなどで酸素を吸っていますよね。

大気よりも多くの酸素を吸っていたら、体内に入ってくる酸素も多くなるため、血液中の酸素の量も増えるのは想像しやすいと思います。

酸素を増やせば増やすほど先ほどのSaO2やPaO2の値は高くなっていきます。

酸素分圧や酸素飽和度を上げるには酸素を増やす必要があることはわかりました。が、

増やせば増やすだけいいということではありません。

 

酸素にも毒があるのです。

酸素の毒って?

生きるのに必要不可欠な酸素ですが、弊害もあります、特に高濃度の酸素は様々な弊害を引き起こします。

  1. 吸収性無気肺
  2. 心拍出量の低下に伴う各種臓器への還流量低下
  3. 肺の繊維化や臓器障害

などを引き起こす可能性があります。酸素の値は高ければ高いほどいいというわけではないのです。

そこでP/F比の登場です

P/Fとは

P=PaO2=動脈血酸素分圧

F=FiO2=吸入気酸素濃度

の割り算で算出される値です。今の酸素濃度の状況での血液中の酸素の量はどうですか?というのを表す値となります。

 

例えば、PaO2=100mmHg、酸素投与をしていない場合を例とすると。

大気中の酸素濃度は約21%のため21%=0.21を式に当てはめると

100/0.21=480となります。

若年の健康者であれば上記の480がおおよその正常値と考えらます。

ARDSの診断基準の一つとしてP/F<300というものがあり、300を下回っていれば酸素化が悪いと考えていいでしょう。

 

また、P/F比を知ることで

  1. PaO2:120mmHg、FiO2:0.3  の患者さんと
  2. PaO2:160mmHg、FiO2:0.8  の患者さんでは

どちらの方が酸素化がいいのかというのがわかるようになります。

 

答え合わせをすると、

  1. のP/F=120/0.3=400
  2. のP/F=160/0.8=200

となるため、1の患者さんの方が酸素化がいいというのがわかりますね。

 

よって、P/F比を計算することで、全身の酸素化が保持されるのに必要最低限の酸素投与量に調整することができるようになるわけですね!

 

酸素化は低いと全身に酸素を行き渡らせることができていないということがわかるため、どうしても高い値が出ていると、低い値の時と比べて「どうにかしなきゃ」と考えづらいことが多いと思いますが、必要以上の酸素投与は体に毒であるということも覚えておきましょう!

換気能

次は換気のお話です。換気とは息を吸ったり吐いたりすることで、酸素を体内へ取り込むと同時に、全身から運ばれてきた二酸化炭素を体外へ放出させることをいい、特に血液ガスでは二酸化炭素の値を見ます。

PaCO2

という値を見ます。先ほどのPaO2と似ていますね。

PaCO2は動脈血二酸化炭素分圧と言います。血液中にどれほどの二酸化炭素があるかを知ることができます。

呼吸か十分でないと二酸化炭素を呼気と共に放出することができないため、血液中に残ってしまい、結果として血液中の二酸化炭素の量が多くなり、PaCO2の値が高くなるということです。

PaCO2の正常値は35〜45mmHgとなります。

このPaCO2は人工呼吸器の換気回数の設定などの指標になりますが、この後出てくる酸塩基平衡に大きく関わってくるので、覚えておきましょう。

 

PaCO2は50mmHg以上で呼吸不全とされます。

換気能に問題がある場合、上手く息を吐くことができていないということがわかります。いわゆるCO2が溜まっている状態というわけです。

その場合は、挿管中であれば換気回数を増やしたり、酸素マスクをしようしている場合は、酸素化に問題がなければ鼻カニューレに変更したりなどの対応が必要となります。

酸塩基平衡

最後にpHについてです。

pHの基準値は7.4を理想的な数値とし、7.35〜7.45を正常範囲とします。

pHが7.35よりも低い状態をアシデミアと言います。

逆に、7.45よりも高い状態をアルカレミアと言います。

 

そして血液ガスでは何故今このpHになっているかというのを知ることができるのです。

その項目が先ほど出てきたPaCO2の他に、HCO3-という重炭酸イオンです。

 

酸塩基平衡を司る二つの要因が、呼吸代謝になります。

  • 呼吸によって体内の二酸化炭素の量を調整し
  • 腎臓などの代謝機関によって重炭酸イオンを調整しています

 

これらのバランスを体は常に保とうとしていますが、様々な要因でこのバランスが崩れることでアシデミアやアルカレミアとなります。

その原因を探ることができるのが血液ガスの検査目的の一つとなります。

 

HCO3-の基準値は22〜26mEq/Lです。この値が低くなるとアシデミアに、高くなるとアルカレミアに傾いていきます。

 

用語の解説になりますが、アシデミアとアシドーシス、アルカレミアとアルカローシスを混同して混乱する方が多いと思います。

実際臨床で、混同したところで、コミュニケーションエラーが生じたことは今までありませんでしたが、一応解説しておきます。

アシデミアやアルカレミアというのは状態を表す言葉です。

アシドーシスやアルカローシスというのは、アシデミアやアルカレミアとなった原因を表す言葉となります。

例えば、「今日は元気だなぁ!」感じているとします。何故元気なのかを考え、「先輩に褒められたから嬉しくてテンションが上がっている」という状況だったとします。この場合、「今日は元気だなぁ!」がアシデミアやアルカレミアであり、「先輩に褒められたから嬉しくてテンションが上がっている」という原因がアシドーシスやアルカローシスということになります。

 

アシドーシスやアルカローシスには原因別に呼吸性と代謝性があります。それらの原因によって、アシデミアやアルカレミアという状態になっているのです。その見分けかたを説明します。

酸塩基平衡の確認の手順

  1. まずはpHを確認します。7.35〜7.45の間にあるのか。それともアシデミアなのか。はたまたアルカレミアなのかを確認します。
  2. 次にアシデミアやアルカレミアだった場合は、その原因を探索します。
    アシドーシス アルカローシス
    呼吸性 PaCO2 が高い PaCO2 が低い
    代謝性 HCO3- が低い HCO3- が高い

    例えば、pHが7.20と低く、PaCO2が70mmHgと高い場合は、呼吸によってアシデミアが引き起こされているため、呼吸性アシドーシスが生じているということになります。

  3. 代償機転が働いているかを確認します
    呼吸性の変化は代謝性に代償機構が働きます。
    逆に、代謝性の変化は呼吸性に代償機構が働きます。

一番重要なのは代謝性アシドーシス

代謝性アシドーシスは、嫌気性代謝の指標となります。

 

嫌気性代謝というのは、体内に十分な酸素が取り込まれていない場合に発生します。

十分な酸素が取り込まれているというのは「体が必要としている分の酸素(需要)に対して、適切な量の酸素を送り届けられているか(供給)」というバランスが保たれている状態を指します。

 

代謝性アシドーシスが生じているということは、このバランスが崩れてしまっているということをあらわしています。

 

さらにここで、「BE」という知識もつけておきましょう

BE(Base  Excess)とは

血液の中で、呼吸性の要因を除外した状態で、その血液をpH:7.4に戻すために必要な酸もしくは塩基の量を表します。

要は、血液を正常な状態に戻すのに必要なパワーはどれくらいか?というものです。

BEの正常範囲は±2mEq/Lです。

これよりも正の方向に傾いていれば代謝性のアルカローシス負の方向に傾いているならば代謝性アシドーシスと判断できます。

 

このことから、pHやHCO3-の値から代謝性アシドーシスかも?となったらBEを見ることで、代謝性アシドーシスと確認することができます。

 

さらについでに、AGについても説明してしまいましょう

AG(Anion Gap)について

こちらも代謝性アシドーシスに関連して、血液ガスで評価できるものです。

アニオンギャップといい、代謝性アシドーシスの原因を追跡することができます。

 

血液中の陽イオンの総和と陰イオンの総和は等しいのですが、ちっちゃい全てを測定することはできません。

中でも、陽イオンであるNa+、陰イオンであるCL-、HCO3-は測定できるイオンであり、これらの差の正常値が10〜12mEq/Lとされており、それよりも差が大きいか否かで、代謝性アシドーシスの原因を探ることができるのです。

 

AG=[Na+]ー([CL-]+[HCO3-])

 

これがAGの計算式になります。

 

代謝性アシドーシスが生じているのに合わせて、このAGが正常範囲内なのか、それともギャップが開大しているかによって以下の原因かどうかがわかります。

 

AGが正常であった場合

  • 下痢
  • 尿細管アシドーシス

 

AGが開大している場合

  • 乳酸アシドーシス
  • ケトアシドーシス(アルコール性、糖尿病性)
  • 腎不全
  • アスピリン中毒

 

看護師は診断などは行いませんが、ICUなどでは頻回に血液ガスを採取する機会がありますので、こういったこともわかるようになると、より日々の看護が楽しくなるかもしれませんね!

 

まとめ

血液ガスでは「酸素化」「換気能」「酸塩基平衡」などがわかります。

それぞれPO2やPaCO2、pHやHCO3-などを見ることで現状を把握することができ、さらにBEやAGなどを確認することでさらにその後の治療方針などを予測することもできるようになります。

 

まずはしっかりと正常値を覚えて、確認する順番などを身につけることで素早くかつ的確に患者さんの状態を把握できるようになりましょう!

 

そして最後にもう一つ!

データも大事ですが、一番大切なことはフィジカルアセスメントになります。検査データだけでなく、患者さんの表情や訴えはどうか?呼吸様式はどうなっているのか?肺音はどうなのか?末梢循環動態はどうか?などをしっかりと観察した上で、検査データも合わせたアセスメントを行い、必要に応じたケアや医師への報告ができるようにしていきましょうね!

 

今日もお疲れ様でした!


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