こんにちは!ぺい看護師です!今日も元気に看護していますか?
今日はCVについて解説していきたいと思います。
首や足の付け根から管が出ている患者さんをみたことはありますか?そこから点滴を投与しているけれど、普段の腕などに入れている末梢ルートとは何が違うんだろうと思ったことはないでしょうか?
今回はそのCVカテーテルについての話です。
CVとは中心静脈のことです
CV=Central Venous の頭文字をとっています。
Central=中心
Venous=静脈
の英語です。
それでは中心静脈とはなんなのか?図で説明したいと思います。
真ん中の歪な丸っこいのが心臓です。
そしてその上下に伸びているもの、上大静脈と下大静脈です。
上大静脈の上にあるのは内頸静脈や鎖骨下静脈と言われる静脈たちです。
脳や上肢などから戻って来る血液は上大静脈へ、腹部臓器や下半身などから戻ってくる血液は下大静脈へ集合します。
そして最終的に全て集合したものが心臓(右心房)へ流れていく、というわけです。
中心静脈は、というと
この辺りのことを指します。
CVの利点とは
ではCVって何がいいの?という話。
例えば、下大静脈は一般的な太さとしては20mm程度な場合が多いです。
では、自分の腕や手の血管を見てみてください。20mm=2cmもありますか?
おそらくないと思います。
ます一つ目の利点は太い血管に薬剤を投与することができるということ。
細いホースに大量の水を通すことは難しいですが、太いホースであればあるほど多くの量の水を通すことができるというのはイメージしやすいのではないでしょうか。
また、太い血管では血管炎が生じにくいというメリットもあります。
浸透圧の高い薬剤(特に高カロリー輸液)などを投与する際に、末梢の血管では細く、血管が炎症を起こしたり、投与に伴って血管が痛くなったりしてしまいます。
次のメリットとしては、血管外に漏れるリスクが非常に少ないということが挙げられます。
皆さんは末梢ラインをみたことがありますか?サーフローやジェルコ、スーパーキャスといったものです。
これは、ものは違いますが、大体これぐらいの長さだと思います。
しかし、CVカテーテルは20cm〜50cm程度のものまであり(挿入部位によって選択する長さが違います)、確実に血管内に留置することができるため、末梢のようにすぐに抜けてしまったり、漏れてしまったりすることがほとんどありません。
よって、生命維持に必要不可欠な薬剤や、血管外に漏れ出てしまうことで皮膚が壊死してしまうリスクがある薬剤などはこのCVのルートから投与します。
CVカテーテルの構造を理解しよう
それではCVカテーテル本体についての解説をしていきます。まずはこちらの絵をご覧ください。
CVには一つの管に1〜4つのルートがくっついています。(絵のCVカテーテルは3つの管が一緒になっているものです)
それぞれシングルルーメン、ダブルルーメン、トリプルルーメンなどと表現します。
よって、今回の例では三つの管が一緒になっているものなので、トリプルルーメンということになりますね!
今回わかりやすく色をつけてみました。
左側の色がついているところをハブと言います。そして右側が先端方向となります。
先端の方に三つの丸がありますよね。そこにそれぞれ穴が空いており、赤いハブから投与した薬剤は赤い穴から、青いハブから投与した薬剤は青い穴から出てきます。(もちろん黒も同様)
それぞれ名前がついており、特徴があるので紹介します。
*ハブの色はメーカーや製品によって違います。ここでは一例のため、色だけでは覚えないようにしてくださいね
-
- <li
>Proximal
-
- :近位という意味。
一番ハブに近い穴から薬剤を投与します
- 。
- Medial:真ん中という意味。のちに紹介する内径の太さから、流速が安定し、低流量の薬剤投与などに向いています。
- Distal:遠位という意味。一番先端付近であり=心房に最も近いため、CVPという中心静脈圧の測定に最も有効なルートとなります。このルートの内径は一番太く、粘稠度高い薬剤なども投与することができます。
内径はそれぞれこのような太さになっています。もしこれがダブルルーメンという二つのルートが一緒になっているものであれば、こうなります。
*とっても歪でごめんなさい笑
CVを入れる位置ってどこ?
ここまでで、中心静脈とはなんなのか?CVカテーテルの構造と特徴にどういったものがあるのか知ることができました。
次は挿入する位置になります。
挿入される先端は中心静脈であることに変わりはありませんが、CVカテーテルを挿入する場所についてはいくつかの選択肢があります。
- 内頸静脈
- 鎖骨下静脈
- 大腿静脈
などです。また、それぞれにメリットデメリットもあるため、紹介していきますね。
内頸静脈
首の静脈から管を挿入して中心静脈まで届かせる方法です。
一番のメリットは首に入っていることで日常生活への支障が少ないことです。首が動かしづらいなどの弊害はあるものの手足が自由に動かすことができます。
また、穿刺時などの気胸のリスクが少ないことや、誤って動脈を穿刺したときに圧迫止血をしやすいことがあげられます。
一方で首の動かしづらさや固定方法に工夫が必要であることなどがデメリットとして挙げられます。
鎖骨下静脈
固定が一番容易な穿刺部位です。また、皮膚の表面から血管までの距離が比較的長いためカテーテル感染のリスクが低いことがメリットです。
一方で穿刺時の気胸のリスクが高いです。また、リンパ管が付近を通過しているため、リンパ漏のリスクもあります。
大腿静脈
穿刺が容易であったり、圧迫止血も容易であることがあげられます。ここからの穿刺のみ下大静脈への留置となるため、気胸の発生リスクは大きく下がります。
デメリットとしては陰部が近く、屈曲部位でもあることから感染のリスクが高くなります。また股関節を激しく動かすことができないため日常生活への制限が大きくなります。
CVカテーテルのデメリット
前述もしましたが、カテーテル感染が一番のデメリットとなります。
通常刺入部はドレッシング材というもので穿刺部位を覆い、菌が侵入しないようにします。また、点滴投与時なども、ルートを接続する部位を十分に消毒し、そこからも菌が入らないようにします。
一方で、ドレッシング材がはがれかかっていたり、消毒が不十分であった場合などには、どこからか菌が侵入し、それが血流にのることで感染症を引き起こす可能性があります。
それを予防するためにも、正しい方法での固定と消毒、薬剤投与時の消毒を行い感染予防に努める必要があります。
まとめ
今回はCVとはなにか?そしていくつかある挿入部位別にそれぞれのメリットとデメリットを上げました。
特に3本もある管のうち、どの薬はどのルートを選択すればいいのかなかなか覚えにくいところかもしれませんね。
多くの看護師が出会うであろう中心静脈カテーテルですので、覚えておいて損はないと思います!
頑張りましょう!
今日もお疲れさまでした。