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【新人看護師必見】ドレーンの管理方法!

みなさんこんにちは!ぺい看護師です!今日も元気に看護していますか?

今日は主に手術後の患者さんに使用されるドレーンについてのお話です。お腹や胸、診療科によっては頭から管が出てきている人を見ることが多いと思います。特に外科系の病棟では手術後の患者さんにはほぼ100%挿入されているドレーンですが、どういった目的で挿入されているのかご存じでしょうか?

今回のブログでは、それぞれドレーンの意味や挿入されている理由などを紹介していきます。後半では胸腔ドレーンや脳室ドレーンなどの少々構造が複雑なものも紹介しますので、よかったら最後まで見ていってください。

 

気になるところに飛べる目次

ドレーン挿入の目的

体内から体外へ管を伝って排出することをドレナージと言います。それを行うためのものがドレーンです。

ドレナージは体内の余分な液体(血液や浸出液)や気体を体外へ出すために挿入されます。体内のものを体外へ出すわけですが、それにはいくつかの役割があります。まずは目的別に見ていきましょう。

情報ドレーン

手術後の出血や縫合不全などの早期発見のために挿入されます。いわば体内の情報を知るためのドレーンとなります。情報を得るためだけではなく、のちに説明する予防的ドレーンと同時に役割を担うことが多いです。逆に、どのドレーンも排液の性状から体内の状態を予測するために用いられるます。

治療ドレーン

体内に貯留している不要な液体や気体を体外へと排出するためのドレーンです。場合によってはこのドレーンから薬剤を投与することもあります。

体内にあることで、もしくは体内に過剰にあることで害をなす物質を体外へ積極的に排出することが目的として挿入されます。

代表的なものとして、脳室ドレーンやイレウス管、膿瘍内ドレーン、胸腔ドレーンなどがあげられます。

予防的ドレーン

体液や気体などが貯留することが予想される場合に、ドレーンを挿入することでその貯留を未然に防ぐために挿入されるドレーンです。また、予防的に挿入したあとに防ぎきれなかった感染や縫合不全が生じた場合は治療的ドレーンとして使用されます。

ドレーンの原理

ひとくちにドレーンと言っても様々な種類があります。自然の重力に任せて排液するものもあれば、機械やばねの力などを利用して排液するものなどもあります。ここでは大きく三種類に分けて説明しようと思います。

重力を使用したドレーン

ドレーンは基本的に体よりも下方に配置しましょうと教わると思います。それはなぜなのか?

腹腔ドレーンや膀胱留置カテーテルなどは重力を使用して体内から体外へと排液していきます。また腹圧がかかることで圧力が生じ、体内の液体が押し出され、バッグ内へと流れていきます。

重力によって液体が高いところから低いところへ流れていくという原理を使用した排液方法です。

この原理が働く条件として、高いところから低いところへ流れていく、があります。ドレーンのバッグやチューブが体より高くなっているとこの条件が満たされないため排液されなくなってしまいます。それどころか逆流してしまうため注意が必要なのです。

また、ドレーンカテーテルが液体で満たされた場合は、サイフォンの原理が働きます。高いとこにある水面から満たされた管をたどり、低いところにある水面まで流れていきます。この原理はのちに説明する脳室ドレーンにて利用されます。

持続吸引器を用いたドレーン

ここでは胸腔ドレーンについての説明をしようと思います。

先ほどの重力を使用したドレーンは、重力に任せた排液となりますが、このドレーンは機械の力を利用して陰圧を発生させ、それによって体内の液体や気体を排出させるという仕組みになります。

胸腔ドレーンのほかにも、J-VACなどの排液バッグ自体にばねが仕込まれており、それが膨らもうとする力を利用して陰圧をかけるものなどもあるので、参考までに。

胸腔ドレーンの仕組み

まず、肺は胸腔内にあります。胸腔内は陰圧になっておりその陰圧によって肺が膨らみます。

その胸腔に穴が開くとどうなるか。

陰圧であった胸腔内部が大気へと解放されるため、陰圧ではなくなってしまいます。すると肺が膨らむことができなくなってしまうのです。

ワンポイント

連続する空間に生じる圧力は同じとなる

この原理が生じてしまうため大気へ開放すると肺は膨らめなくなってしまうのです。

これでは大気と胸腔内の圧力が同じになってしまうため、陰圧であった胸腔内に空気が流れ込み大気圧となってしまうんですね。

それではどうするのかというと、大気に開放させないようにすればいいのです。こんな感じに

カテーテルの先にバッグをくっつけて、そこから持続的に吸引することで陰圧をかけることで胸腔内も陰圧にたもつことができます。

*胸腔内とバッグの内部が同じ圧力になっている。

でもこれだと、空気がどれだけ引けているのかわかりませんよね。胸腔ドレーンの使用目的は胸水という液体を抜くだけでなく胸腔内にたまってしまう空気(気胸が生じている場合や肺切除後の再膨張を促すために)も排出させなければなりません。

空気がどれだけ引けているかという情報ドレーンとしての目的を果たすことができなくなってしまいます。

そこで胸腔を大気と解放させずに(閉鎖空間を維持しつつ)空気がどれくらい抜けているのかを知るために””を使用します。

こうすることで抜けてきた空気は青い水封部の液体を通って吸引管へと抜けていきます。水封部の液体を通る際に泡となって抜けていくため、観察する人の目に明らかとなります。

これは先ほどの連続する空間に生じる圧力は同じとなるという原理が生じているために生じる現象です。

このように水色で囲った部分が同じ圧力になるため、胸腔側に気体が生じて圧力が高まると、それを中和するようにバッグ側の圧力が増え、それを吸引しているため、余分な空気が吸引管へと伝っていくということですね。

胸腔内は陰圧であると説明しましたが、ではこの吸引管の吸引の程度はどれくらいなのでしょうか?

メラサキュームという持続吸引をかけられる機械を用いている場合は1㎝H2O単位で吸引圧を決めることができますが直接施設の吸引装置に接続する場合などは設定値を細かく設定することはできません。吸引チューブについているねじを回して吸引の程度を決定することもできますが、厳密な値を設定することができません。そこで、陰圧の度合いを決める部屋を設けます。

吸引部にはかけたい吸引圧に応じた高さまで水を入れていきます。そうすると、下の図の緑色で囲った部分に陰圧がかかり、状況に応じてバッグの一番右の大気と交通している個所から空気が入り、緑の部分へ空気が入ります。どれくらい空気が入ってくるかは、吸引圧に応じて入れた水の量(吸引部のオレンジ色の水の量)によって決まります。

吸引によって緑の部分に陰圧がかかると水封部の青い水が陰圧によって引っ張られ液面が移動します。

これによって排液部を通じて胸腔に陰圧をかけることができるようになるというわけです。

胸腔ドレーンはなかなか理解しづらい構造ですが、一つずつ分解して考えると理解しやすいかと思います。

こうして、胸腔ドレーンの出来上がりです。

設定圧を決めて使用するドレーン

これまた特殊なドレーンです。脳室ドレーンを例にして説明したいと思います。

こんな感じのやつです。見たことあるでしょうか?

このドレーンは頭蓋内圧をモニタリングしたり、脳脊髄液を排出することで頭蓋内圧をコントロールするために挿入されるドレーンです。

このドレーンが他のドレーンなどと大きく違うポイントがあります。

それは、脳脊髄液は多くてもダメだけど、少なくなってもダメ、ということです。

もう少し掘り下げます。

今までの腹腔内ドレーンや膀胱留置カテーテルなどは不要なものを体外へ出すということを目的の一つとして挿入していましたよね?

確かに今回の脳室ドレーンも余分な脳脊髄液を体外へ出すために挿入しています。しかし、脳脊髄液は脳の保護などにおいて必要なものです。ということは、ただ排液するだけではダメということなんですね。

ではどうするのかというと、必要以上に頭蓋内圧が高まったときにだけドレーンから廃液させるようにすればいいのです。

頭蓋骨の中は閉鎖空間になっているため頭蓋内で出血したり、脳が浮腫んだりするとその逃げ道がないために頭蓋内圧が上がります。その上がった分だけをドレーンを通じて外に逃すというイメージです。

その設定方法がこちらです。

患者さんの耳の穴、いわゆる外耳孔を基準として、そこからドリップチャンバーと言われる場所にあるドレーンの先端までの高さを設定圧とする仕組みです。

このドリップチャンバーの高さを変えることで設定圧を変更し、必要に応じた脳脊髄液の廃液を促し、頭蓋内圧を正常に保ちます。

このドレーンの注意点はクランプする順番にあります。

先ほども説明した通り、脳脊髄液は多くてもダメですが、少なすぎてもダメです。適切な量が必要なのです。

しかし、順番を間違えてクランプしてしまったり、誤った箇所をクランプしてしまったりするとドレーンにサイフォンの原理が働いてしまいます。

ワンポイント

サイフォンの原理

二つの水の入った部屋を、水で満たしたホースで繋ぐと、水面の高い方から低い方へ流れていく原理

↑こんな感じのやつ、習ったの覚えていますか?

これが働くとどうなるかお分かりでしょうか?

先ほどの絵をもう一度見てみましょう。

ドレーンは頭蓋内に入っています。そしてそのドレーンの一番下の水面はどれかというと、左下の廃液バッグになります。

もし全てのクレンメをあけ、なおかつフィルターが閉塞してしまっていたり、フィルターをクランプしたままにしてしまうと、サイフォンの原理が頭蓋内と廃液バッグの間で働いてしまいます。

すると、必要以上の脳脊髄液が廃液されてしまい、オーバードレナージという状況になってしまいます。

オーバードレナージとなってしまうと、低髄圧症となったり、硬膜下血腫脳ヘルニアを合併してしまう可能性があるため、非常に注意が必要です。

ちなみに、開放する順番は

  1. エアフィルター
  2. 廃液バッグ
  3. 患者側クレンメ

クランプする順番は

  1. 患者側クレンメ
  2. 廃液バッグ
  3. エアフィルター

の順番ですので、よく覚えておきましょう。

物によってはフィルターが一つのものや二つついているものなどがありますので、取扱方法を熟知するようにしてください。

ドレーンの固定方法

次はドレーンの固定方法を説明します。

ドレーンは体内と体外を管を通じて交通させていますが、その管が宙ぶらりんだと抜けたり、逆に体内に入っていってしまう可能性がありますよね。

多くの管がナートといって管を専用の糸で縛り、それを皮膚に縫い付けて抜けないようにしていますが固定の力としては弱いです。そこで固定用のテープを使用して管が動かないようにする必要があります。

管はオメガ止めという方法で固定するのが一般的です。

以下のような留め方ですね。青いのがテープ、上の丸いのがドレーンの管です。

一方、肌の上に管を置いて、その上からそのままテープをベタっと貼ると、下の絵のようになります。

これでは何が問題かというと

  1. オメガ止めの時と比べて管とテープが接触している箇所が少ないために、固定力が弱い
  2. 管が直接皮膚に接触しているため接触部に皮膚障害が生じてしまう

以上の問題が生じてしまいます。

そうならないためにもオメガ止めをするようにしましょう。

ひとくちメモ

オメガ止めは、Ωの文字のように見えることが由来です

ドレーンの管理方法

ここではドレーン管理に必要なことを要点を絞ってお伝えしたいと思います。

まずは抜けたりしないようにしましょう

先ほども伝えたようなオメガ止めでしっかりと固定テープを使用して固定をします。

テープは人によってはかぶれたりもしてしまいますのでガチガチに何重にも止めればいいというわけではありません。

またよく勘違いとしてあるのが、感染予防として挿入部位を密閉するために使用しているドレッシング材ですが、これは固定のためのものではありません。よって、ドレッシング剤だけでなく固定用のテープで固定するようにしましょう。

固定だけでなく患者さんへの説明を!

特に術後の患者さんなどは、麻酔から徐々に覚める中で、体に何が入っているのかなどを理解するのに時間がかかります。

よって、患者さんが充分に理解できるまで何が入っているのか、何故入っているのか、気をつけることなどを説明しましょう。

抜けていないかを適宜確認しましょう

確実に固定していても、せん妄などで患者さんに引き抜かれてしまったり、ケアの途中で何かの拍子に抜けてしまったりすることがあります。そんなときに抜けたり位置がズレたりしていないか確認する必要があります。

一つは管自体にマーキングする方法です。

このマーキングの位置がずれていないかを確認することで挿入物を管理する方法です。

もう一つはレントゲンです。

ドレーンの管はレントゲンに映るようになっているので体の中でどこに挿入されているのか、位置が体内で変わっていないかを確認することができます。レントゲンを撮るたびに確認するようにしましょう。

ドレーン排液の量や性状を確認しましょう

ドレナージには情報を得る目的もあります。各ドレナージによってどんな性状の排液が正常なのか、そしてその後どのように変化して行くのが正常なのか、どんな性状になると異常なのかがわかるようにしましょう。

例えば、開腹術後の患者さんで淡血性だった排液が血性になったら術後出血している可能性が考えられたり、排液から便臭がしたら縫合不全などが疑われたりします。

また、排液の量も大切です。減ってきた排液が増えてきたり、量が減らなかったりしたら体内で何か起きているかもしれません。その他のバイタルサインなどを追跡して以上の早期発見に努めましょう。

刺入部の感染兆候に注意しましょう

ドレーンは体内と体外を交通させている関係で、細菌などが容易に体内に入ってしまいます。

よって、細菌が体内へ入ることがないようドレッシング剤という刺入部を密閉させるもので覆い、さらに刺入部を観察できるようにします。

ワンポイント
感染兆候
腫脹・発赤・疼痛・熱感

これらの所見があると、感染している可能性があるため医師へ報告する必要があります。

物によってはドレッシング剤を張らずにガーゼ保護する場合もあります。その場合は必要以上に剥がしたりせずに、移送前後などの必要なタイミングで確認するようにしましょう。

汗などでドレッシング剤が剥がれる可能性もあります。また体液で汚染される可能性などもあります。清潔に保つことができるようにしつつ、我々看護師が汚染させることがないように清潔操作をするようにしましょう。

ドレーンが床についていたりすると、そこから逆行性感染などを発生させたりします。注意が必要ですね。

皮膚障害を予防しましょう

先ほども説明した通り、ドレーンの固定はオメガ止めをします。これはドレーンが直接皮膚に接触することで皮膚障害を生じさせてしまうのを予防します。

そしてもう一つ皮膚障害を封じさせる要因があります。それが固定用テープです。

固定用テープは人によって合う合わないもあります。その人にあった固定用テープを選ぶようにしましょう。また、皮膚が脆弱な患者さんに対してはテープを貼る前に皮膜剤などを塗布することで皮膚障害を予防することもできます。

また、ドレーンにテンションが掛かることで固定用テープも引っ張られ、それに伴って貼付している皮膚も引っ張られることで、テープの縁に沿って水泡ができたり、表皮が剥がれたりしてしまいます。そうならないように、テンションがかからないような固定やドレーンの取り回しなどを工夫できるようにしましょう。

最後に

今回はとてもボリューミーな内容になってしまいました。とても大切でほとんどの看護師が何かしらのドレーンを見ることになると思い、たくさんのことを書いてしまいました。

スキマ時間にその都度見ることができるように細かく目次を作っているので、ぜひ少しずつでもいいので勉強していきましょう!

それでは、お疲れ様でした!!

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