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【若手看護師必見】心不全を理解するたった4つのポイント!

心不全って難しくないですか?難しいというより奥が深いと言ったほうがいいですかね。いろいろな要因が重なることで生じる心不全ですが、心臓の4つのポイントに焦点を絞ることで簡単に理解することができます。今回はそんな4つのポイントに絞って解説していきましょう。

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そもそも心不全とは?

心不全とは、言葉をそのまま訳すと心臓の機能が不全状態にある、すなわちきちんと働くことができていないということです。

これをもう少し医療用語を用いて解釈すると、全身の組織が必要とする酸素(需要)を、十分に供給するのに必要な血液を心臓が拍出することができない状態、のことを指します。

要は体が必要としている酸素を、必要な分提供できていないということですね。

飲食店を思い浮かべてください。店員が2人ないし3人ほどしかいない店に、団体客が押し寄せてきました。その団体客は人数が多く、頼む料理の数もとても多いです。一方で店員が少ないために料理の提供がどんどん遅れていきます。これが不全状態ですね。

そんな勤務が毎日続いてみてください。店員はどんどん疲弊していきますよね。心臓もそれは同じで、心臓にとってしんどい状況が続くことで、心臓も疲弊していき、ちゃんと動けなくなってしまうのです。

心拍出量

先ほど、心臓が十分な血液を拍出することができない状態を心不全と言いました。

さて、ここでさっそく本題です。冒頭でも話した、4つのポイント。これは心拍出量を決める4つのポイントを抑えることで、心不全を理解することができるのです!

その4つのポイントとは、①前負荷後負荷心収縮力心拍数です。一つ一つ見ていきましょう

前負荷

前負荷とは心臓の前にかかる負担のことを指します。要は循環血液量のことですね。心臓に回ってくる血液が多ければ多いほど、心臓はそれを肺や全身に送り届けなければならないため、頑張って働かなければなりません。これが前負荷の正体です。

後負荷

後負荷は、心臓の後にかかる負担のことを指します。動脈硬化などによって固くなった血管や、どろどろの血液、はたまた送り出すところについているが悪さをして抵抗となっていたり。これらの要因があることで血液が進みづらくなりますよね。それでも体は酸素を運ぶ血液を必要としますので、心臓は頑張って送り出さなければなりません。これが後負荷です。

心収縮力

心臓も筋肉の塊です。私たちも走ったり、重いものを持ち上げたりするときに筋肉を動かしますよね。その力は人それぞれです。10㎏のダンベルを持ち上げるのに、軽々持ち上げるマッチョもいれば、1回持ち上げるのがやっとな人もいますよね。このように筋肉のパワーを心臓に当てはめたのが心収縮力と思ってください。心臓が収縮する力、読んで字のごとくですね。

心拍数

心臓は絶えず動き続けます。絶えず血液を送り続けます。それは定期的にかつ均等に送り出されなければなりません。

例えば、ある村には飲食店が一軒しかありません。村のみんなはそこにご飯を食べに来ます。その飲食店は毎日営業しています。なぜなら営業しないと村のみんながご飯を食べられなくなってしまうからです。ある日は営業していて、ある日は営業していない、となれば食べるのに困ってしまいますよね。もしくは毎日営業していても、ある日はとんでもない量の食べ物を出してくれるのに、ある日は小盛のご飯一杯だけ、なんてことになったら、それも生活に必要なエネルギーを補給することができないですよね?

体の組織も同じで、絶えず血液が運ばれてくる必要があります。それを決定するのが、心拍数ですね。早すぎても遅すぎてもいけないし、不整脈などはもってのほかですね。

これらの4つのポイントがそれぞれ崩れることで心不全が進んでいきます。それではこれらの4つのポイントの観察の視点と提供できる看護を見ていきましょう。

前負荷の視点と看護

前負荷とは、循環血液量のことを指しますよね。ボリュームとも言います。これが多すぎると、心臓は拍出するのに大きな力を要します。そして、その後心臓は疲弊し、動かなくなってきてしまいます。前負荷を見る指標を以下に挙げます。

  • 水分バランス体に入る水分体から出ていく水分のバランスを見ます。出ていった水分よりも、入れた水分のほうが多ければ、それは体に水が溜まっているという証拠ですよね。体に入る水分とは、点滴の投与量飲水量食事量などが分かりやすいでしょうか。体から出ていく水分というのは、尿や汗などの不感蒸泄などがイメージしやすいでしょうか?その他にも嘔吐や下痢などでも体内の水分は失われますし、代謝水などの目に見えない体の中に増える水分などもあります。

<li>心拍数の変動…循環血液量の減少による1回拍出量の減少を補うために、心臓は回数を多くする働きをします。よって、循環血液量が減少し、心臓が働く回数を増やすことができる場合、心拍数の増加という所見が見られます。一方で、すでに心不全状態にある心臓は、すでにいっぱいいっぱいのため、働く回数を増やすことができないので、心拍数は変わらない場合も大いにあります。

  • CVP…クリティカル領域では、中心静脈カテーテル(以下、CV)を挿入していることが多いです。CVではCVPという中心静脈圧という循環血液量を評価することができます。この値が低いと、循環血液量が低く、値が高いと、循環血液量が多いという指標になります。
  • 浮腫肺水腫…これは心不全が進んでからさらに著名となりますが、全身に浮腫みができたり、呼吸困難感起坐呼吸が見られたり、水っけの多い痰が多くなったりします。これは心不全の症状として有名ですね。

これらに対してはどういう看護をすればいいのでしょうか?

  1. まずはフィジカルアセスメントをしっかり行い、上記の症状やデータを追跡し、過剰な水分投与になっていないか、症状が出現していないかを確認します。とくに呼吸状態の評価は重要です!
  2. 水分をがぶがぶ飲んでしまう患者さんに対しては、制限量を守ってもらえるように説明したりしなければならない時もあります。
  3. 医師と情報を共有し、適切な水分管理ができるようにします。
  4. 医師の指示で利尿剤などを投与して、体内の水分を外に出すことで、バランスがマイナスになるようにすることもあります。
  5. 循環血液量が多いケースを紹介しましたが、もちろん脱水などで血管の中がスカスカになってしまうことでも、後述の心拍数などに影響が出ますので、体液は多すぎても少なすぎてもいけないことを覚えておきましょう。

後負荷の視点と看護

後負荷は心臓が血液を押し出すのに必要な力のことを指します。まずは観察の視点です。

  • 血圧…高血圧は、動脈の硬さや狭さなどに影響が出ます。動脈硬化などで血管が固いときですね。
  • チアノーゼ末梢冷感CRT延長…血管が固かったり、狭かったりすることで血液が体の隅々まで送り届けるのが難しくなります。分かりやすい場所だと、指先などですね。そこまで血が廻らないと、血液が行かないために冷えたり(末梢冷感)、酸素が足りないために組織の色が変わってきたり(チアノーゼ)します。また、末梢の血の巡りが悪い指標としてCRTがあります。これは、「手の爪を2秒間押して爪が白くなるのを確認し、その後離した後に、白い状態からピンク色に戻るまでの時間を観察」することで評価する方法です。救命部門でのトリアージなどにも使われますね。
  • 敗血症…敗血症の初期などは、ウォームショックという末梢血管が拡張することで生じる、末梢が温かい状態で陥るショック状態です。これは末梢血管がガバガバに開いてしまうことで、相対的に循環血液量が減り後負荷が急激に下がってしまう要因になります。

これらに対する看護を考えていきましょう

  1. まずはフィジカルアセスメントです。血圧はどうなのか?チアノーゼや末梢冷感は出ていないか?熱発や炎症反応のデータは悪化していないか?しっかりと評価をしましょう。
  2. 血圧が高い状態で、さらに血圧を上げるようなことをしてしまっては本末転倒です。まずは安静にしてもらい、そのほかの血圧が上がるような要因を避けます。例えば苦痛などですね。
  3. 必要に応じて、末梢血管を開く薬剤や狭くする薬剤を使用することもあります。医師と情報共有をして、適切な薬剤投与につなげましょう。

心収縮力の視点と看護

心臓の収縮力を妨げる要因として、心筋梗塞などの虚血性心疾患により心臓が動けなくなってしまうことが大きな要因です。また、上記のような心負荷が絶えずかかり続けることで心臓が疲弊することでも、収縮力は落ちます。

  • 既往歴…すでに狭心症や心筋梗塞、弁膜症や心筋症などの既往歴がある場合は、収縮力が低下している場合がほとんとかもしれませんよね。
  • EF…おそらく心疾患患者で入院時に測定していない人はいないのではないのでしょうか?左室駆出率といいます。心臓が拡張したタイミングで心臓に入ってきた血液をどれだけ送り出せるか、という指標だと思ってください。心臓が収縮できないということは、血液を送り出せないということですから、この値も低くなります。

これも当然

  1. まずはフィジカル…といいたいですが…
  2. 収縮力評価は我々看護師では難しいです。エコーとか僕は使えないので。そこで医師との情報共有や検査データの確認を行います。
  3. 収縮力が弱い患者さんに対しては、収縮力を上げるまさに読んで字のごとく、「強心薬」を使用します。この薬剤を投与した後の反応を見るのも一つの指標となります。
  4. やはり、十分に心臓が収縮できないタイミングで、鞭を売ってしまっては元も子もありません。安静に過ごせるように関わっていきましょう。

心拍数の視点と看護

これは非常に明確ですね

  • 心拍数…早すぎても遅すぎてもいけません。基準値は人それぞれですが、60~100回/分を逸脱するようであれば、なにかしらのサインかもしれません。
  • 不整脈…よくあるのはAf(心房細動)だったり、PVC(心室期外収縮)、房室ブロックなどですね。不整脈がある時点で、心機能のどこかにほころびが生じています。その原因に対する治療が必要となります。

では、フィジカルアセスメントのつぎは?

  1. 心拍数の変動や不整脈の出現が循環血液量による場合であればそれを補う点滴を投与したり
  2. 熱発や過活動などで代謝が亢進してしまっている場合は、それを抑える必要がありますし
  3. 不整脈に対しては抗不整脈薬β遮断薬などを用いて治療する必要があります。
  4. これらは看護師だけではできませんので、医師への報告や適切な薬剤投与をおこなうひつようがあります
  5. ここでもやはり安静というのが必要ですね。我々も活動時は心拍数が上がりますよね。

まとめ

ここまで4つのポイントから心不全に関わる看護の視点や提供できる看護を紹介しました。心不全は様々な要因が絡み合ってきますし、そのぶん観察のポイントや看護師のできるケアも増えていきます。難しく考えずに、シンプルに、まずは心臓の働きを理解することが心不全の理解の第一歩だと思います。

頑張りましょう!!

お疲れさまでした。

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