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めちゃめちゃ簡単!人工呼吸器の看護③体への影響

こんばんは!ぺい看護師です。今日も元気に看護していますか?今日は人工呼吸器の使用に伴う影響について話していこうと思います。


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人工呼吸器がやっとなんだかわかってきた、だけど人工呼吸器中に体への影響はないのだろうか?と疑問に持つ人もいるでしょう。

そうです、その疑問、とても大事です。人工呼吸器装着中の患者さんには呼吸(厳密には換気)以外の点でも知っておかなければならないことがいくつかあります。

ポイントは3点、「陽圧換気による影響」と「人工呼吸器関連肺炎」、「鎮静剤の影響」です。今日はそのうちの、陽圧換気による影響についてお話します。

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人工呼吸器によって生じる「陽圧換気」

人工呼吸器を使用した呼吸は「陽圧換気」という方法で換気を行います。なぜこの言葉をピックアップしているかというと、私たちが普段している呼吸は陽圧換気ではないからです。

私たちの呼吸は?

ここでは自発呼吸という表現をします。

私たちがゆっくりお茶を飲んでいるとき、寝ているとき、呼吸の大部分は横隔膜によって行われます

横隔膜はここにあります。

 

このドーム型の横隔膜が、息を吸うときに収縮します。おなか側に移動するわけです。

ん?だから?という方もいるかもしれません。そこでもう一つ覚えておいてほしい解剖のお話をはさみます。

肺ってどうやってふくらむのか?

胸腔の解剖を知っている方は飛ばしていただいて大丈夫です。

肺というのは胸腔という閉鎖空間の中にあります。胸腔というのは胸郭と横隔膜で構成されます。胸郭というのは肋骨や胸骨などのことを指します。

その胸郭や横隔膜の内側には胸膜という薄い膜があり、それで密閉され、その中に肺があるのです。

先ほどの絵を、めちゃめちゃシンプルにしてみました。黄色の線が胸膜、赤い線が横隔膜、青い線がです。黄色の胸膜は骨や筋肉にくっついているものなので、動けません。

息を吸おうと横隔膜が収縮すると、おなか側に動くといいました。

そうすると、黄色い線の胸膜は動くことができませんので、空間の中が陰圧になります。

例えば、コーラのペットボトルの飲み口に口をつけて息を吸うと、ペットボトルはつぶれますよね?それはペットボトルの内側に陰圧がかかったことでつぶれます。でも、みなさん、ビンの飲み物に同じことをしてもつぶれません。陰圧以上にビンが固いからですね。

胸膜の部分は動かないので、ビンと同じようなことになります。しかし、胸腔という空間には肺があり、それは気道や口を通って外とつながっています。

そのため、胸腔内が陰圧になると、口や気道を通って肺に空気が入ってくることで、かかっている陰圧の分肺が膨らむということになります。

 

これが普段の私たちの呼吸のメカニズムになります。

 

人工呼吸器は陽圧換気

私たちの普段の呼吸は陰圧によって行われていることはわかりました。では、人工呼吸器はというと、陽圧で行われます。

こちらはいたってシンプルで、横隔膜の動きなどではなく、口や気道を通って空気を「無理やり」送り込むことで肺を「押し広げている」というイメージです。

肺を押し広げているため、胸腔内は肺の拡張によって陽圧となります。そのため「陽圧換気」と言います。これは自発呼吸とは異なり、非生理的な呼吸方法となります。

陽圧換気による影響

胸腔内が陽圧になるということは、胸腔内圧が高くなるということです。胸腔の中には心臓や大静脈などもあります。胸腔内圧の上昇により、中心静脈圧が上がったり心臓が圧迫されることで静脈還流量(心臓に戻ってくる血液の量)が減ることで心臓の拡張も妨げられ、その結果心拍出量(心臓から送り出される)が減少します。

また、肺の内側も、空気が送り込まらてくることで陽圧になります。そうすると、肺の血管の抵抗も上昇することで左室の拍出量が減るということも起こります。

換気時だけでなく、息を吐き切った後もPEEPという陽圧を常にかけているため、常にこの心拍出量の低下は生じます。

また、静脈管流量が減少することで、脳からの血液の戻りも妨げられるため、結果として頭蓋内圧も上昇します。

 

胸腔内圧が上がることで、逆に心臓から出ていくほうの圧力はサポートされる形になります。後負荷が下がるということです。しかし、静脈還流量が減っていることに加え、後負荷が下がることで血圧が下がり、各種臓器への血流は減少してしまいます。これにより全身状態のわるい患者さんによっては、腎障害や肝障害、腸管障害などが起きる可能性もあります。

ガス交換効率の低下

さらに、人工呼吸器では普段の自発呼吸よりも酸素と二酸化炭素を交換する効率が悪くなります。

以下の図を見てみてください。

人工呼吸器を使用している患者さんは多くの時間を臥床(寝ている状態)で過ごすことが多くなってしまいます。そうすると、水分である血液は体の下のほう(背中側)に多くなってしまいます。一方気体である空気は体の中でも上のほう(おなか側)に多くいきわたります。

酸素と二酸化炭素の交換は酸素の多く含まれた空気と血液が触れ合うことで交換されますが、空気と血液がそれぞれ別の場所に多く存在することで、それぞれが均等に存在するときよりも効率が悪くなってしまいます

さらに、重力により肺が押しつぶされたり、血液以外の胸水なども背側にたまりやすくなるため、背中側の肺では無気肺が生じやすくなります

*無気肺…肺が虚脱している状態。肺の中の肺胞というところに空気が入れずにスッカスカになってしまっている状態のことです。

挿管中の看護の一つ

血液と空気の接触が少なくなってしまったり、背中側の肺がだめになってしまいやすい状態を打破するために、「臥床状態になっている時間を短くする」方法があります。「伏臥位」や「側臥位」を取ったり、ギャッチアップをして頭を高くした状態などにすることで、改善されます。

もちろん、患者さんに状態やマンパワーによって、安全が確保できない場合は最優先で行うことではありません。しかし、何も知らずに、何もできないままでは患者さんの呼吸状態はよくなりません。可能な限り患者さんの呼吸状態を改善することができるよう頑張っていきましょう!

 

次回は挿管管理に伴う弊害の一つである肺炎、人工呼吸器関連肺炎(VAP)についてお伝えしていこうと思います!

 

お疲れさまでした!


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参考文献

 

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